長期増強(Long-term potentiation)
長期増強とは
長期増強とは、「
神経細胞を同時刺激することにより、2つの神経細胞間の信号伝達が持続的に向上する現象
」のこと。長期増強は学習と記憶の根底にある主要な細胞学的メカニズムの1つであると考えられている。
長期増強の特徴
長期増強と長期記憶はともに、急速に開始され、新しいタンパク質の生合成に依存していて、連合性をもち、何か月もの持続が可能である。
長期増強は、すべての動物に見られる比較的単純な古典的条件づけから、ヒトに見られるより複雑な高次の認知までの、様々な種類の学習を説明する現象である可能性がある。
シナプス伝達強度を増加させることで、長期増強はシナプス前細胞とシナプス後細胞がシナプスを介して信号伝達する能力を向上させる。
長期増強は脳の領域やその動物の年齢、種類などにより異なる複数のメカニズムで成り立っていることなどにより、その正確なメカニズムは完全に分かっているわけではない。
長期増強の仕組み
現在最もよく分かっている長期増強の形式は、シナプス前細胞から受け取られるシグナルに対するシナプス後細胞の感受性の増加によって、信号伝達が向上するものである。
このシグナルは神経伝達物質の形で、シナプス後細胞の膜表面にある神経伝達物質受容体に受け取られる。
長期増強は多くの場合、シナプス後細胞の表面に既に存在する受容体の活動性を増加させるか、受容体の数を増加させることにより、シナプス後細胞の
応答性を増加させる
。
参考資料
長期増強
関連
シナプス
シナプス増強
ヘブ則
海馬
記憶痕跡(エングラム:engram)
シナプス
,
長期増強
,
海馬
,
メカニズム