正常性バイアス(せいじょうせいバイアス、英: Normalcy bias)とは、社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語。
自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のことを指す。
自然災害や火事、事故・事件・テロリズム等の犯罪などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価したりしてしまい、「逃げ遅れ」の原因となる。
「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。
人間の心は、予期せぬ出来事に対して、ある程度「鈍感」にできている。日々の生活の中で生じる予期せぬ変化や新しい事象に、心が過剰に反応して疲弊しないために必要なはたらきで、ある程度の限界までは、正常の範囲として処理する心のメカニズムが備わっていると考えられる。