シンボルグラウンディング問題(記号接地問題)

シンボルグラウンディング問題とは

シンボルグラウンディング問題(シンボルグラウンディングもんだい)とは、記号システム内のシンボルがどのようにして実世界の意味と結びつけられるかという問題。記号接地問題とも言い、ハルナッド(Stevan Harnad)によって1990年に命名された。

記号の意味を理解できないコンピュータ

コンピュータは、記号の意味を理解していない』ので、記号の操作だけでは知能は実現できない。シンボル(記号)を、それが意味するものと結びつける(グラウンドさせる)ことが必要であるが、これが現在の人工知能においては解決されていない。

「りんご」を一度も見たことがない人に、「りんご」という記号の文字列だけ与えたときにそれが何か理解できるだろうか?おそらくできないだろう。「Mazedaar」というアルファベットで表記された文字列記号を見たときに、ほとんどの日本人は理解できないのと同じである。

私たちが認知している概念と記号としての対応関係が、コンピュータにはできていない。

ちなみに「Mazedaar(記号)」は「美味しい(概念)」という意味である。このように、「意味」というのは2つのものを繋ぐ対応関係であり、関連付けなのである。

「シマウマ = 馬 + シマ」の概念獲得

「馬」という概念の意味と「シマ」という概念の意味がわかっていれば「シマウマ=馬+シマ」と教えられたとき、シマウマを一目見た瞬間「シマウマは、シマのある馬」だということが人間には理解できるが、コンピュータにはこれが理解できない。「青りんご = りんご + 青い」も同様。

解決すべき問題

どうすれば、コンピュータが馬の概念を理解し、シマの概念を理解し、既存の知識を組み合わせ、新しい概念の獲得ができるだろうか?

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