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脳科学・神経科学を網羅的に学ぶ必読書

カンデル神経科学

カンデル神経科学は、脳科学・神経科学分野のバイブル的存在。2014年4月に日本語版が出版され、英語や医学用語が得意でない方にも大変読みやすくなりました。脳科学、神経科学について学ぶなら絶対に持っておきたいおすすめの一冊。

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樹状突起スパイン

樹状突起スパイン(じゅじょうとっきすぱいん)とは、神経細胞樹状突起から突き出ている小区画で、のほとんどの興奮性シナプスの入力を受けているトゲ状の隆起である。

単にスパインとも呼ばれる。

神経活動などに依存して、電流の流れ方が変化したり、シナプスそのものが形成・消滅する。この数や形状的な変化がシナプス可塑性のメカニズムの一つである。

樹状突起スパインの成長と衰退を制御しているスパイン調整蛋白「シャンク」

スパインの成長をコントロールしている因子として、スパイン調節蛋白(「シャンク」と呼ばれる)がある。シャンクは、シナプス内に高濃度で存在する大型の蛋白として存在している。

培養中の神経細胞において、

  • シャンクのレベルを上昇させると、樹状突起スパインはより大きく成長し、シナプス強度もより大きくなる。
  • シャンクのレベルが抑制されると、樹状突起スパインは失われ、シナプス強度は低下する。

ことがわかっている。

マウスやラットでは通常、シャンクのレベルは誕生時には低く、誕生後最初の数週間に脳が発達する期間に増大する。これはスパインの生成と成長の期間と一致している。このため、シャンクは樹状突起スパインおよび結合したシナプスの形態学的機能的な成熟を促進していると考えられる。

大脳とスパイン

大脳の代表的細胞である錐体細胞興奮性シナプスは何故か樹状突起のスパインという棘の上にできます。この様なスパインを持つ細胞は脳でも高次機能に直接関係する細胞で発達しており、無脊椎動物ではほとんど見られません。大脳のスパインは見事に多形であり、その形は脳精神疾患で異常を来します。これらの状況証拠から、スパインは高次脳機能の要素を担っていることが示唆されます。

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